2015年10月15日木曜日

地なし(無し)尺八とは

地なし尺八

虚無僧(wikipediaより転載)

「根っこは何処へゆく Future Is Primitive」監督の野中克哉はもうかれこれ11年間、古典尺八奏者として尺八とともに人生を歩んでいます。

25歳の頃バンクーバーへ渡っていた彼は、尺八を演奏するきっかけになる出来ごとに遭遇。(詳細を知りたい方はぜひトークで質問してみてください。)

帰国後、これまでなんの縁もゆかりもなかった尺八の世界に入門するべく、ただただその熱い思いをだけもって弟子入りを申し入れた人物こそが、古典尺八奏者の奥田敦也さんでした。

「根っこは何処へゆく」Fbページ/出演者情報:奥田敦也氏

奥田敦也氏/尺八演奏動画
https://www.youtube.com/watch?v=-04JR2RPsP0

これまた6年ほど前に野中克哉本人と東京での再会を果たした時のこと。
自ら野山に生ける竹を刈ってきて、自ら切断、穴あけ、削り、整え、お師匠様のもとで尺八演奏の修行をしているとのこと。
監督本人が、あらゆるジャンルの音楽を聴き、ときに楽器を演奏し、その世界を深めていることは「もう~充分だよ!」というくらい知っていました。が、しかしまさか、尺八とは。

聴いたときはさすがによくわけがわからんと思いつつも、なんとまあすてきなことをはじめたものだと、静かに血が沸き立ったのは言うまでもありません。


さて、少し話がそれましたが、根っこは何処へゆくのFbページで紹介されるように、現在、
名実ともに地なし尺八奏者の第一人者である奥田敦也さんが演奏される「地なし尺八」というものが果たして何なのかを、ごくごく簡単ではありますが探ってみました。

「尺八」名前の由来
尺八は中国がまだ唐であった630年ころにできたという説が有力だそう。
王朝によってその測定基準は多少違ってくるものの、
当時、基本の音だとされていた「黄鍾管(こーしょうかん)」の長さが一尺八寸だった。
そのため、基準の音を出す管が一尺八寸であることがそのまま「尺八」という名称として
定着したものと思われる。というのが有力な説のひとつ。

そんな尺八の種類のなかには

・地なし尺八
地あり尺八(地塗り、地盛り、地入り尺八などとも呼ぶらしい)

というものがあるそうで、その音色は竹の肉厚やその太さによって、吹く人によって、全く異なる音色を生みだすそうです。

野中克哉が師事する奥田敦也氏は、この地なし尺八を演奏されています。


・地なし尺八
刈り取ってきた自然な竹本来のもつ性質をそのままに、節をぬいてつくられたものをいうそう。
この地なし尺八の音色は安定するというのがとても難しいそう。

・地あり尺八(塗り、地盛り、地入り尺八などとも呼ぶ)
竹の管内に下地入れという、竹の内側のデコボコをうめて、なめらかにして(個人的イメージで言うと金管楽器のようなかんじだろうか)つくられたものをいうそう。

もっと知りたい方はぜひ調べてみてください、いえ、手を抜いたわけではありませんよ。
あくまでざっくりとですので、厳密に知りたい方はぜひ調べてみられることをおすすめします!

と、本当にごくごくざっくり情報ではありますが、
あくまで主観的な想像によると、その音色こそが古典尺八を現在に繋げ、つくりあげてきたのではないだろうか。という仮説をわからないなりに立てつつ、当日の上映やトーク、演奏で検証してみたいものです。